【医療インバウンド10年の軌跡】第4回 ドック以外の人気商品

▲リハビリテーションの受診も増えている(写真はイメージ)

治療や予防 医療技術は海外の評価も高い

日本の医療サービスを受けに来日する外国人の目的は、健康診断、治療、予防医療、リハビリテーションの4つに大別できる。治療目的でおとずれる人たちは、最も多いガン以外にも、歯科治療、不妊治療、美容整形と幅は広い。前回の健康診断に引き続き、治療、予防医療、リハビリテーションの3分野について解説する。

「治療」

この分野で最も多いのはがん治療です。外科的な手術もあれば、放射線治療、抗がん剤治療、免疫療法などさまざまです。中国はがんで亡くなる人の割合が日本よりも高いので、PET検診で早期発見し、その後治療される方が多く見受けられます。
歯科治療もあります。特に、インプラントはロシアの方に人気があります。また、眼科治療は日本のレベルが高く、中央アジアのカザフスタンから来る方が多く見受けられます。
不妊治療も多いです。中国では一人っ子政策が無くなったこともあり、中国国内の専門医は順番待ちの状態だと言います。美容整形治療も人気です。美容整形というと中国人の中でも韓国を思い浮かべ、実際に医療ツーリズムとして訪れる人も多くいます。しかし、治療技術は元々日本のものといわれており、美容整形に詳しいと日本を選ぶ方もたくさんいます。
幹細胞をとって肌や組織を再生させる再生医療を求めてくる人もいます。先日、台湾に行きましたが、台湾では再生医療が認可されていません。一部は政府が認めた治療法で対応しているようですが、先進的なドクターは、台湾では治せないものは日本で治すように促しているようです。

「予防医療」

生活習慣病、サプリメント、糖尿病予防、遺伝子検査というものがあります。
遺伝子検査とは、DNAの検査から将来的な病気のリスクについて調べるものです。遺伝子が変わることはないので、何度も受診する必要はありません。1回の検査で、現時点の生活習慣から、将来的な発病の可能性を探るのです。未然に病気を防ぐ予防医療として役立っており、今後伸びていくと思われます。
すべての遺伝子を調べる方法もあれば、がん細胞などの生活習慣のみに絞って安価でやるというパターンもあります。

「リハビリ」

脳梗塞後遺症のリハビリ、ロボットギアなど、リハビリにも種類があります。サイバーダイン社は筑波大学などとロボットスーツ「HAL」をつくりました。脳神経が体に出す司令を感知して、ロボットスーツが自動的に動くものです。脳梗塞後遺症の方が使うと、初期は体を動かそうとするとロボットが動くのですが、だんだん脳神経を使うことでその神経回路が回復し、ロボットスーツを脱いでも体を動かすことができるようになるという治療法です。治療中の人が個人で買いたいということもあるようですが、売られてはいないようです。
湯治もここに含まれます。日本には各地に温泉があり、温泉を治療に活用する考え方もあります。活用方法によっては海外から人を呼び込み、長期にわたって経過観測するものなので、湯治と検査をうまく組み合わせられれば面白いことができそうです。



(一社)日本旅行業協会
国内・訪日旅行推進部
青木志郎副部長

旅行代理店大手の日本旅行に20年勤務。10年前から医療診断・治療目的で来日する外国人と日本の医療機関をつなぐ医療渡航支援業務に携わる。


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