▲厦門は中国有数の観光地、国内全土から人がやってきます。

昨晩遅く日本より廈門に戻りこのコラムを書いています。夜の22時ですが私の家がある中山路には中国各地から来る観光客で、昼間以上にたくさんの人が歩いています。廈門は、中国人が一度は訪れたい場所として、毎年3位以内に選ばれる国内有数の観光地なのですが、加えて、今この原稿を書いている10月5日は、中国の独立記念を祝う「国慶節休暇」(10/1~7日)の真っ最中です。
中国には、学校も会社も休みなる長い連休が1年を通して2回あります。一つは、旧正月を祝う「春節」です。日本でも、年末年始は1週間前後の休みとなり、家族や友人たちと「お正月」を祝うのが馴染みの光景だと思います。中国でも元旦から3日までが連休ですが、家族皆で会うのは「春節」です。日本でも「中国人の大移動」と銘打って、様々なニュースやドキュメンタリー番組が放映されると思います。

しかし、近年、地方都市において雇用や文化水準が上がっているため、以前のような都市部への集中した就業状況は見慣れなくなりつつあります。そのため、日本のマスコミが制作する24時間以上かけて1年ぶりに再会する親子、のような状況は、全く無くなった、とは言いませんが、かなりのスピードでなくなりつつあります。
当然、休暇の過ごし方も変化しているわけです。近年流行しているのは、「旅行」です。日本に大挙して中国人が訪れているので、説明は不要ですね。これは、よく言われるように、ビザ発給の緩和が中流階級にまで及んだ事が大きな要因であることは間違いありません。しかし、中国人の休暇を過ごすスタイルが大きく変化していることにも是非着目してほしいのです。

話を国慶節に戻します。国慶節も春節と同様に旅行業界にとっての一大イベントです。
私の住む廈門島(廈門は日本の小豆島とほぼ同じ面積の島です)の人口は400万人ですが、一年間に訪れる観光客の数は7000万人を超えます(2017年は日本からも22万人が訪れました)
日本で爆買ブームと呼ばれたものが去った後も大阪・京都等の関西圏を中心に、北海道、九州、沖縄などは中国人に人気があり、人気ドラマのロケ地の影響で青森(十和田湖湖畔
と奥入瀬)を訪れる旅行者も多いと聞きます。数年前の「冬のソナタ」を見て韓国へ旅行した日本人と同じ現象ですね。

中国は「衣・食・住」の基本的なライフスタイルから「衣・食・住・行(旅行)」へのライフスタイルへ変貌しつつあると感じます。日本や欧米諸国と異なり娯楽の少ない中国では、豊かになったことで得た「金銭的余裕」を旅行に使用する人が多いのです。
中国人ならではの観光の目的として写真撮影も挙げられます。日本人のように景色や風景を撮影する人は少なく、被写体は人間です。モデルのようにポーズをとった自分を写真に収めるのが、一般的な中国人のスタイルです。
日本が「観光大国」を目指し中国から観光客を本気で呼ぶことを求めるのであれば、中国人の観光に向けた欲求を理解することが賢明です。

次回は、「爆買ブーム」のその後についてお話したいと思います。


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第三回 今日の中国~皆が同じ生活時間を過ごす~

狩野浩治氏
1964年福岡県生まれ。バックパッカーとして各国を回った後、国内大手小売り会社に入社し海外事業部に配属。以降33年間、海外生活が続き、8年前から中国で生活する。中国企業の副総経理を務める。

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