▲工作機械大手のヤマザキマザックは、サンダーバードをモチーフにしたブースを作り、学生向けにPRした
工作機械の展示会「日本国際工作機械見本市(JIMTOF)」では、学生に向けてブランドをPRするブースが並んだ。生産財を扱う業界は世界的シェアを持つ大手企業でも、学生の間では知名度が低い。採用難は共通の悩みとなっており、主催者も学生向けのセミナーなどで誘致に力を入れる。理工学系の学生が集まる展示会は、採用も出展する大きな目的となっている。

サンダーバードでPR

工作機械大手のヤマザキマザック(愛知県丹羽郡)がJIMTOFのためにつくったブースでは、サンダーバードに登場するマシーンが全面的に打ち出された。2019年に創業100周年を迎えるにあたり、広告展開におけるキャラクターとして採用したものだ。テレビ放映時に番組見ていた中高年層をターゲットにしていながら、遊び心のある社風を周知することで、若い学生たちの関心を引きつけようというブランド戦略だ。
ブースでは来場する学生たちに会社説明をするために、「学生担当」のバッジをつけた社員が複数待機した。経営企画室の大石亮室長は「JIMTOFに出展する目的の半分は学生に向けたPR」と話す。年商2500億円で世界に展開する工作機械大手でも、学生でヤマザキマザックを知る人は少ない。知名度の低さは新卒採用において出遅れの要因となっており、理工学系の学生が来場するJIMTOFは、業界における会社の存在を知らしめる格好の場というわけだ。
知名度の低さによる採用難は、ヤマザキマザックに限った話ではない。生産財だけを扱うメーカーはどこも状況に大差はなく、主催の(一社) 日本工作機械工業会も、会場に学生を集めようと、経営者や若手エンジニアを講師に立てたセミナーを毎回企画する。


▲ヤマザキマザック(愛知県丹羽郡)経営企画室 大石亮室長

海外来場者も増加アジア、東欧からも

外国人来場者の増加を話す出展企業も多かった。
粉じん収集機など工場用の機械メーカー昭和電機(大阪府大東市)は、英、タイ、ベトナム、韓国、スペイン語を話す海外営業部の社員をのべ10人ほど動員した。これまでも、会場で海外の新規顧客とつながり取引につながってきた。今回は、見込みのある来場者だけを商談席に引き込む戦略で臨んだが、海外案件だけで74件の商談につながった。
精密モーターやハードディスク用の部品製造に使用する工作機械のメーカー、タカハシキカイ(新潟県小千谷市)には、中国、韓国、インド、欧州の来場者が訪れた。自動車産業が多い国内来場者に比べ、家電や通信系の企業など海外来場者は業種の幅が広かった。短い時間でどれだけたくさんの加工ができるかという、量産性を気にする人が多かったという。
溶接、切断用の機械メーカー小池酸素工業(東京都墨田区)では、東欧からの来場者が目立った。ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアには欧州企業の生産拠点が多くあり、現場担当者や工業系の大学から学生や教授陣や訪れた。
20回以上出展する静岡鐵工所(静岡市)のブースにも、中国、ロシア、韓国、アメリカの来場者が訪れた。だが、海外での販売実績がなく、要望に応えることができなかった。「海外の規格に対応する製品開発が必要だと感じた」(担当者)
日本工作機械工業会によると、海外の同業展示会に出展し、現地で記者会見を行い各国の専門誌で取り上げられるようPRを行ったという。だが、外国人誘致のために新たに始めた施策はなく、日本の工作機械業界に注目する人が増えたことによる自然増が大きいと言えそうだ。主催者発表によると、海外来場者数は1万2791人で、前回よりも1258人増加した。


▲「海外に競合製品が多くあることも分かった」と話す昭和電機の石川裕一さん

JIMTOF 2018(第29回 日本国際工作機械見本市)
会期:11月1日(木)~11月6日(火)
会場:東京ビッグサイト全館
主催:(一社) 日本工作機械工業会、東京ビッグサイト
後援:外務省、経済産業省、東京都、日本商工会議所
出展社数/小間数:1085(海外135)/
来場者数:15万3103人(海外1万2791)

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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。


Gotou国際イベントニュース 編集部 後藤 豊
2017年全国賃貸住宅新聞社入社。「国際イベントニュース」企画開発部所属。インバウンド集客に必要な商材、海外に進出する企業向けサービスを中心に情報収集。趣味は読書。自宅に溜め込んだ蔵書は4500冊を越え、かねてから妻との懸案材料となっている。

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