プラネットが中国、香港、台湾、韓国で、訪日経験者を対象に各国300人ずつ、インターネットによるアンケート調査を行った。調査では、日本国内での買い物および飲食行動について聞いている。

日本で買い物をする外国人観光客の間では基礎化粧品が人気のようだ。日用品や化粧・医薬品メーカーと小売流通業者取引のオンラインシステムを運用するプラネット(東京都港区)が、中国、香港、台湾、韓国の訪日観光客に対して消費動向調査を行った。その結果、医薬品、化粧品、日用品の中で一番買われているのは、中、香、韓で化粧水や乳液などの基礎化粧品だった。中でも消費の主役は複数回来日する人たちだ。観光庁の調査でも、韓国、台湾、香港から来る観光客のほぼ半数が2回以上来日していることが明らかになっている。

インバウンド消費の中身 この夏、ドラッグストアから「アネッサ」が消えた

資生堂の女性向け日焼け止め商品「アネッサ」が、今年の夏、ドラッグストアの店頭から姿を消した。「来日した中国人が大量に購入したのが主な原因です」と話すのは、プラネットの今村佳嗣執行役員だ。個人用、お土産用で購入した人だけでなく、中国国内で転売する目的で購入した人がいて、店頭在庫の買い占めが続出したという。

中国人が日本で化粧品を買って帰る理由は二つある。一つは価格の安さだ。日本製化粧品の多くは、中国で日本の3倍の価格で売られている。これは、メーカーの正規ルートで輸出されたものよりも、アネッサのように日本の店頭で仕入れて中国に運ばれるものが多く流通しているからだ。違法ではないが、輸送費や間に入る輸出入会社の手数料分だけ価格が上乗せされる。また、高くても売れるため、強気の価格設定がまかり通るのだ。

もう一点は、日本で買えば間違いなく本物が手に入るからだ。中国では、偽物や、純正でも日本以外の国で作られた商品が多い。純正であれば、他国で作られた商品でも差は無さそうなものだが、中国でそのように考える人は少ないようだ。

数年前まで、中国で転売される商品といえば、メリーズを筆頭にした紙おむつだった。だが、時がたつにつれ、商品の顔ぶれは入れ替わっていく。化粧品の中でも、化粧水や乳液が筆頭だが、年々、ファンデーション、口紅、アイラインなどのメイキャップ商品の比重が高まりつつある。

小林製薬の「サカムケア」や龍角散の「龍角散ダイレクト」も中国人に人気の商品だ。化粧品、医薬品、日用品メーカーは業績を伸ばしたところが多いが、その要因は「国内消費、特にインバウンドの人気をつかんだ商品を出した会社が多い」(今村氏)

一人当たり14万4000円を消費

観光庁が7月に発表した2018年第1四半期の「訪日外国人消費動向調査」によると、日本に来た外国人による旅行消費額の総額は1兆1233億円で、消費金額が多い国・地域順だと、中国3620億円、台湾1502億円、韓国1302億円、米国846億円、香港819億円。以上のトップ5位までで全体の8割を占める。

一人当たりの消費額で見ると平均は14万4000円で、豪州(26万4000円)、スペイン(24万4000円)、英国(21万9000円)に次いで、中国が20万9000円だった(表2)。

この結果から、来日数とともに一人当たりの消費意欲においても中国人の存在が大きいことがわかる。さらに、中国人の消費金額を費目別に見ると、買い物10万9000円、宿泊費4万1000円、飲食費3万7000円、交通費1万5000円、娯楽等サービス費6500円となり、買い物に半分以上のお金を使っていることが分かる。買い物に10万円以上を費やしたのは中国人だけで、2位のベトナム人が6万4000円であることからも、中国人の買い物に対する消費意欲が突出していることが分かる。

調査では、複数回来日する観光客が多いこともわかっている。韓国、台湾、香港では、ほぼ半数の来日観光客が、複数回日本にきていることが分かった。大型クルーズ船が就航する中国でも、4割が2回以上の来日経験があり、来日回数が増えるほど、国内での消費額が多かった(表3)。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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