ハウステンボスの集客力を地域に【全国DMO巡り Vol.7】(公財)佐世保コンベンション協会

▲海の国立公園「西海国立公園」は日本で唯一の外洋性多島海であり、リアス海岸の複雑な海岸線を見ることができる

 地域観光の主役はハウステンボス。佐世保市に1年間で訪れる588万人の観光客のうち、約半数の282万人がハウステンボスを訪れる。問題はこの集客力を周辺に還元できていないことだ。地域一帯の長期滞在型リゾートを生み出すことが最初の課題となった。

▲観光客の二次交通として運行を開始した観光周遊バス。このバスのおかげで観光客がこれまで交通の便が悪く行きづらかったところでも容易に観光を楽しめるようになった

 交通網の整備が行き届いていないことが最大の課題だったため、観光周遊バス『佐世保クルーズバス海風』を、市内の観光名所をめぐる足として運行した。途中下車した先にある観光名所の開発と紹介に力を入れ、旅行会社に対する認知度を上げた。木曜日以外、毎日運行し初年度は4077人、昨年は6845人を運んだ。

 ハウステンボスとの連携は地域観光の生命線であり、広告出稿でも連携する。

▲小値賀町の古民家を改修した宿泊所。住民も古民家に明かりがついていると気になるようで、宿泊客に話しかけるようになり交流が生まれている

 小値賀町では、武家屋敷や港を望む漁師町の古民家を改修しレストランや宿泊施設として活用する。レストラン1件と、宿泊施設4件を国や県の補助金を合わせて約3億円の予算で改修した。レストランは年間2400人が訪れ、宿は1600人が利用する。首都圏から訪れる20~30代の観光客が長期で利用するようになった。料金は1泊1万2000~2万1000円だ。

 以前はキャンプなど団体客がメインだったが、宿泊施設ができてから、家族旅行や個人旅行が増えた。清掃、レストランスタッフ、管理母体である同団体の雇用も生まれつつある。

今伝えたいこと

飯田 満治理事長

  2019年4月に予定される九十九島湾の「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟登録や、7月に予定される黒島集落の「世界遺産」認定登録といったトピックを生かした観光プロモーションを行い、「熊本地震」以降低迷する観光客数を再び増やしたい。

 国が取り組む、世界水準DMOの認定登録を我々も目指す。2019年度は日本版DMOとしての機能構築を図るとともに、次のステップに向けての足固めを行う年と位置づけ、各事業を推進する。


法人名:(公財)佐世保コンベンション協会
設立年:2003年4月
所在地:長崎県佐世保市三浦町21-1(JR佐世保駅構内)

参加県・企業:佐世保市、小値賀町、佐世保旅館ホテル協同組合、親和銀行、九州旅客鉄道、佐世保市タクシー協会、佐世保商工会議所、小値賀町商工会、佐世保旅客船協会、ながさき西海農業協同組合、佐世保市水産振興協議会、長崎県立大学、長崎国際大学
年間延べ宿泊者数:国内 193万8000人/海外 17万5000人(2017年)

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