▲▼CHINA BEAUTY EXPOとCOSMOPROF ASIAの様子

中国で開催される美容業界の2大展示会。CBEは中国本土のバイヤーの来場が多く、COSMOPROF ASIAは世界各国から来場者が集まる。毎年11月に開催される「COSMOPROF ASIA」はここ2年JETROが共同ブースとして出展するジャパンパビリオンが用意された。

どこまで続くか 日本ブランド

中国市場を狙う日本の美容メーカーの進出が活発だ。5月22~24日、上海で開催された「CHINA BEAUTY EXPO(CBE)」には日本から200社が出展、昨年の60社から大きく増えた。魅力は日本とは比較にならない大きな市場だ。日本ブランドに対する信用度も高い。一方で、韓国や欧米メーカーも中国向けに低価格で商品を販売しており、「日本製は高くて売れない」と話す現地バイヤーも少なくない。

▲ウエダ美粧堂(大阪府八尾市)は高級化粧筆を5月に上海で開催されたchina beauty expoに出展した

CBEの出展が4回目となった成和インターナショナル(東京都町田市)の深沢さんは、今年、中国人来場者の肌艶が去年よりも綺麗になったと感じた。「これまで中国人は洗顔、化粧品、乳液というステップを踏まないと言われていた。明らかに化粧品慣れしてきている」。化粧水に混ぜるヒアルロン酸原液が、2014年に中国版のtwitter「weibo(ウェイボ)」で芸能人に取り上げられ人気を獲得した同社だが、今年の来場者からは「買って満足できるパッケージにして欲しい」と、これまで聞いたことがない要望が届いた。

同じく4回目の出展となった浅野撚糸(岐阜県安八郡)は、洗顔用の高級タオルを展示した。昨年までは値段に関する質問がほとんどだったが、今年は「どんな製品ですか」と商品について質問を受けた。最後まで説明を聞き、他とは異なる手触りや高価格設定の理由を理解する来場者が増えた。

高級化粧筆を製造するウエダ美粧堂(大阪府八尾市)は、今年が2回目のCBE出展だった。年商3億2000万円の3割を海外で売り上げ、海外営業部も設置する同社は、以前は香港で開催される美容の展示会「COSMOPROF」に出展していたが、中国本土の市場を狙いCBEに鞍替えした。COSMOPROFには世界中からバイヤーが集まったが、CBEでは7割が中国本土からの来場者だった。香港に比べると、上海は品質よりも手に入れやすい低価格商品を求める人が多い。それでも高級路線を貫くのは、市場の少数派だとしても規模が大きいために十分魅力的だということだ。会場では400人がブースを訪れ、80人と名刺を交換した。

ライバルは韓国企業

日本企業の進出は相次ぐが、日本製だから売れる時代ではないという。「2015年から1年間、日本製ならなんでも売れる時代があった」と話すのは、美容商品を中心に中国市場の営業を支援するポリスター(神奈川県横浜市)の狩野浩治副総経理(日本の副社長に相当)だ。今の中国には、韓国を筆頭に、豪州、米国、欧州と世界中からメーカーが市場を狙いにきている。現地中国のメーカーも、低価格でも高品質な商品を発表するようになった。

特に、韓国勢の台頭は目覚ましい。成和インターナショナルのように、パッケージにまで意識を払わなければならないのは、韓国メーカーが、中国市場で販売することを前提に製造体制を整えているからだ。「日本メーカーは、日本向けに作った商品を中国で売ろうとする。韓国は変化が激しい中国市場を常に見ながら商品を作る。中国市場に対するマーケティング力が違う」(狩野氏)

中国市場の変化の速さは、中国国民の生活環境の変化とスピードを共にしている。来場者の肌艶がよくなり、洗顔用の高級タオルの説明に耳を傾ける人が増えたのは、この1年で起きた変化だ。経済の成長が急な分だけ、トレンドが変わる変化も早いということだ。

CFDA認証 実店舗での販売に必須

美容マスクなどの化粧品を製造する小六(札幌市)は、CBEに初出展した。3日間で600部のカタログを全て配布し、ターゲットの中国本土の商社のバイヤーと商談を重ねられた。中国で人気の高い北海道ブランドとして注目されたことと、会期前に中国政府機関が認定する「CFDA」の認証を得たことが追い風となった。CFDAはChina Food and Drug Administrationの略で、医療品、化粧品などを中国で販売する時に必要となる認証だ。越境ECと呼ばれる一部のネット販売では認証を必要としないものもあるが、実店舗の販売ではCFDAの取得は必須となる。認証を得るには100万円程度掛かる。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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