▲NSGグループ池田弘代表(68)
新潟市出身。國學院大学神道神職養成講座修了。家業の古町愛宕神社で宮司となり、同じ年に新潟総合学院を開校。NSGグループを築く。アルビレックス新潟の初代社長で、現在は会長。

スポーツツーリズムを拡大し、地域経済振興につなげようとする動きが全国で広がる。一方、プロスポーツチームと、地域経済の関係も深い。Jリーグに所属するアルビレックス新潟の初代社長・池田弘氏は、新潟県内で学校や介護施設の経営で、年商1000億円(支援法人含む)を稼ぐNSGグループの創業経営者だ。プロスポーツの集客力と、地域経済の振興について、池田氏の考えを聞いた。

―2017年、アルビレックス新潟はJ2に降格してしまいました。観客動員数も減少傾向にあります。原因はチーム成績によるものですか。

観客の減少は、降格する前から始まっています。2005年に68万人に達した年間動員数は、2016年20万人を割りました。原因は、色々あると思いますが、一番はサポーターの高年齢化でしょう。かつてはシーズンパスの保有者が2万人を超えていたのですが、今は、1万人を割りました。中身を分析すると、みんな長期保有者です。年齢が上がるにしたがって、身体をこわしたり、夫婦で来ていたけれど、旦那が病気になったり。テレビやネットで見る人も増えたのですね。サポーターの属性を見るとJ1の中でも圧倒的に若年層が少ないのですが、新潟に若い人がいないのかというと、そんなことはない。
なぜそうなったかというと、若年層向けのマーケティングが行われていませんでした。特に、SNS対策。みんなそれが大事だということはわかっていて、何もやっていないわけではなかったが、「拡散させる」というような意識はなかった。その結果、若者に情報が届かなくなっていました。

―それでも新潟はJリーグで今も上位の観客動員能力を持っています。これによる、地域への経済効果について、感じることはありますか。

なかなか厳しいでしょうね。お金使わせようにも、若い人はスマホだってなかなか持てない。

―そうするとアルビレックスとしても厳しいのではないですか。

だから、どんどん外に出て行く。地域の外に出て海外にも積極的に。スポーツビジネスって今、5.5兆円くらいあるんですけど、これを15兆円くらいにしようという動きがあります。アジアを見れば、爆発的に経済もよくなって、これから人口も倍になる訳です。今、アルビレックス新潟はシンガポールに出て、成功しています。

―チーム経営ノウハウを輸出するということですか。

輸出じゃない、進出です。スクール事業などは面白いと思います。例えば、各国で1000人ずつに指導して、30カ国で展開したとします。年間10万円ずつもらえたとしたらら、3万人から10万円ずつですから、30億円です。このスクール売上に、ユニフォームだとか、そういうものも絡んでくる。

―スクール参加費用に年間10万円を支払える経済力を持つ地域であれば、商売が成り立つということですか。

スポーツリーグは、経済的にある程度成熟したところでなければビジネスとして成り立って行かないのですよ。

新潟に1000人の留学生

NSGグループの中核は32の専門学校に代表される、学校経営事業だ。新潟県内にそのほとんどの校舎を構えるが、学生の約3割は県外出身者が占める。また、グループ全体で1000人規模の留学生を迎えている。起業家を育てる為に設立した事業創造大学院大学は、約6割が海外からの留学生だ。ゲームクリエーターを要請する専門学校には、日本語サイトしかないにも関わらずフランスから学生がやってきた。地域密着のイメージが強い教育事業で、積極的に海外から学生を迎え入れる。今後は2000人規模まで拡大する計画だ。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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