▲AZAPAとリコーが共同開発する自動運転搭載車両。車両に5つのカメラが搭載されており、周囲の状況を判断する

海外ベンチャーも参入 変わる自動車産業

リードエグジビションジャパン(東京都新宿区)は17~19日、自動車産業の総合展「オートモーティブワールド」の中で「自動運転EXPO」を初開催した。日本での本格導入に向けた機運が高まる中、これまでオートモーティブワールドに出展してこなかった新規企業の出展も相次ぎ、自動車市場を巡るプレーヤーに変化が見えてきた。

自動運転EXPOに出展した企業はおよそ100社。事務局長を務めるリードエグジビションジャパンの早田匡希氏によると、その多くがオートモーティブワールド全体に対して初出展となる。
「カメラや自動認識などセンサー関連を扱う企業が相次いで出展した。ベンチャー企業も多く、これまで当社の展示会でカバーしきれなかった自動車産業の新たなニーズをカバーすることができたように感じる」と早田氏は語る。

海外から出展する企業もいた。昨年、ソフトバンクから約180億円の資金調達を実施したNauto社(米カリフォルニア州)もその1社だ。
同社は2015年に設立したスタートアップ。車のフロントガラスに取り付けた小型カメラで運転中の周囲の状況を撮影し、人工知能で解析する運転支援技術を開発している。
ターゲットはタクシー会社や運送会社だ。「自動運転はいまや業界の旬の技術。自動車メーカーや部品製造業など、多くの人が関心を持っており、今回の展示会は貴重な情報交換の場になった」と同社は語る。

エンジン制御システムのAZAPA(アザパ・愛知県名古屋市)も、現在開発中の自動運転制御システムをお披露目した。
リコー(東京都大田区)のカメラを自動車の前・後・側面に取り付けて周囲の状況を把握し、自動制御するシステムで、昨年秋には秋田県仙北市で実証実験もおこなった。
同社の粕谷真則部長は「自動運転技術の開発は自動車メーカー自身もおこなっている。だが、自動運転に関わる技術はこれまでの自動車製造にはなかった技術が多く関わっており、当社のように業界の新参企業がその開発に踏み出すことで、新たな取引先も開拓できると考えている。実際、今回の展示会では部品メーカーや海外企業など多くの人がブースを訪れてくれ、確かな感触をつかめた」と語った。

矢野経済研究所が2016年に実施した調査によると、自動運転システムを搭載した自動車の世界普及は今後急速に加速し、30年には4800万台に到達する見込みだ。
米IT大手のGoogle社が自動運転技術の開発に名乗りをあげたように、中小、ベンチャーなどさまざまな企業が自動車産業に続々と参入を果たしている。

日本を支える自動車産業を巡る変化が、今回の自動運転EXPO初開催に見て取れる。
AZAPAの吉沢明紘部長は「具体的な取引につながるのはまだ少し先になると思うが、自動運転に関心を持つ企業は多い。業界は大きく変わるという実感を得た」と語る。

「新規出展が非常に多い」

リードエグジビションジャパン(東京都新宿区)早田匡希氏

これまでオートモーティブワールドに出展・来場していただいた企業からの要望が高かったことから、開催することを決めた。新規出展企業が非常に多く、自動運転技術を通じて業界の幅が広がっていると実感する。

Nauto社をはじめ、海外ベンチャーの出展も複数あったのも変化の一つだ。特にNautoはソフトバンクから大規模調達を実施したばかりで、業界としての変化を如実に示す企業とも言えるのではないか。

オートモーティブワールドは「カーエレクトロニクス技術展」にはじまり、「EV・HEV駆動システム技術展」「軽量化技術展」など時代のニーズに沿って新規の展示会を合同開催することで規模を拡大してきた。

今回、自動運転の専門展を開催できたということは、業界のニーズが顕著になっているという証しだろう。
既に次回開催に向けての出展申し込みも多数受け付けており、今後ますます自動運転に関わる企業の出展ニーズは増えることになると思う。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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