同業イベントと合同で

日本最大級の同人誌即売会「コミックマーケット」(以下、コミケ)を主催する準備会ら7社は、2020年5月に同人誌即売会「DOUJINJAPAN2020(仮)」を東京ビッグサイトで開催することを明らかにした。

同年に開催する東京五輪・パラリンピックによりビッグサイトなど首都圏の展示施設が使用できなくなる問題に対応するため、同業イベントと合同で開催し、会期を移す形となった。会期は20年5月のゴールデンウィークの連休となる予定で、具体的な日時はまだ決まっていない。例年、同時期のビッグサイトでは出版社の赤ブーブー通信社が主催する同人誌即売会「スーパー・コミックシティ」(以下、スパコミ)が開催されていた。対してコミケは毎年8月と12月に開催されていたが、19年4月から20年11月に渡って東京ビッグサイトが一部、あるいは全面的に使用できないため、同時期での開催が危惧されていた。

12月23日にはコミックマーケット準備会と赤ブーブー通信社のほか、同人誌即売会を主催するコミティアなど7社が共同で声明を発表。19~20年の開催に関しては東京以外での開催も視野に入れることを検討しながら、関係企業と連携していくことを明らかにした。だが、歓迎する声だけではなさそうだ。

関係者によると「もともとゴールデンウィークはスパコミやコミティアが使っていた。それが20年は五輪問題で会場が縮小されることになり、今度はコミケと合同開催になった。それでも合同開催を良しとしたのは、コミケが業界を代表するイベントであり、その開催を優先することが業界のためになると思ったからだろう。もちろん、コミケが開催されることになったのは業界としてはポジティブな話だが、あくまで半歩前進といったところ。これで納得したというわけではない」と漏らす。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平
2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材。