中規模会場も軒並み8割越え

東京ビッグサイト、幕張メッセ、パシフィコ横浜のような首都圏の大規模展示施設はどこも高稼働で、新しいイベントをつくる余地が少ない。これらの施設よりも一回り小さい500~3000㎡の中規模会場の状況も、稼働率8割超の会場が相次ぎ、貸し手有利の市場となっている。ウィークデーは法人利用、週末はアイドル、芸能人、就職セミナーイベントなどのファンイベントと、主催者の顔ぶれはさまざまだ。

東京・秋葉原駅前の秋葉原UDXにあるUDXギャラリー(725㎡)はここ3年の年間日数稼働率が8割を超えている。

法人主体のセミナー利用が6割、残りが展示会、物販イベント、パーティーなどだ。8割はリピーターによるものだ。セミナーは社内向けと社外向けが半々。IT企業が取引先を呼ぶものや、不動産会社が新規顧客を獲得するために主催するものが多い。会場をパーテーションで区切ることができるため、200㎡の会場に150人程度を集めるセミナーの利用がもっとも多い。

 

展示会として利用するのは、IT企業だ。新商品・サービスの紹介を軸にしたプライベートショーで、夕方以降の立食パーティーまで行うことも少なくない。アパレルメーカーや食品関連会社の新作発表会も多い。
土地柄を反映し、出版社やゲーム会社の物販イベントも増えている。品川駅港南口から徒歩6分の品川インターシティ(ホール700㎡+ホワイエ300㎡)の稼働率も8割だ。
2年前に運営会社が変わり1年前から2割上昇した。ここでも催しの8割はセミナーだが、最近は、週末に行われるアイドル研修生によるファンイベントが増えており、全体の数字を底上げした。
施設を借り上げてテナント貸しするマグネットスタジオ(東京都中央区)の山崎大輔氏によると、アイドルイベントは一度利用して以来、頻繁に申し込みが入るようになった。「一部のファンの間で聖地と言われるようになり、さらに利用が広がった」(山崎氏)後楽園の一角にあるプリズムホール(2809㎡)の稼働率は2017年は74.1%だった。そのうち7割が法人向けのセミナーや展示会だ。

 

ここでも多いのはアパレルや食品関連企業だが、骨董品市や物産展の開催も古くから続いている。閑散期の4月や8月は空きもあるが、他の時期はリピーターでほぼ埋まっており、新しいイベントが参入するのは難しい。
JR恵比寿駅から徒歩3分のEBiS303(1111㎡)は、開業から3年経たが間も無く6割に達する。建物が新しくデザイン性も高いことから、アパレルや宝飾品関連の展示会が多く、利用者の半分を占める。週末もアパレルや化粧品メーカーが会員限定セールなどを開催することが多い。ゲーム制作会社による、スマホアプリのファンイベントも定期的に開催されるようになった。
4つの会場に比べると、サンシャインシティにある4つの展示ホール(2343~3969㎡)にはまだ余裕がありそうだ。最寄りの池袋駅から8分歩くことに加え、建物が来年40年をむかえ古いことも影響する。
1年前にイベントを誘致する専任チームをつくり、誘致を強化している。増えているのは全国から名産品を集める物産展だ。

10月最終週から10月の最終週までの1カ月間で7つの物産関連イベントが開催された。主催は自治体系や金融機関の業界団体などさまざまだが、頻繁に物産展が開かれることで来場者への認知も高まっている。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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