極寒の地開発、道は遠く~深掘りロシア経済3~

9月6~7日、ロシア極東のウラジオストクで第3回東方経済フォーラム(EEF)が開催された。豊富な資源が眠っていながら、ソ連崩壊により遅れていた極東開発が、動き出そうとしている。

気候、人材・・・課題多く

 極寒の地開発、道は遠く

~深掘りロシア経済3~

■極東開発の現状は?

日本企業の参入が計画される一方で、いくら連邦政府が本腰を入れて取り組んでも極東地域の開発は一筋縄ではいかない、というのが現状である。極東地域は広大な面積を持つ一方で、その大部分は極寒の地だ。悪条件な気候に加えてインフラの整備はなかなか進まず、整備がすすめられたとしてもその維持にかかるコストもまた膨大なのである。また、こうした悪条件によって、ただでさえ希薄な人口だが、若者や働き盛りの人材、特に優秀な人材の流出はなかなか止めることが難しい。極東の産業構造はその大部分がエネルギー分野に依存しており、水産業や林業もそれなりの規模を持つものの、製造業は未発達である。複雑な利権の絡む資源分野は、いくら連邦政府が声高に汚職対策を掲げても、この地域のビジネス環境の弊害の1つともなっている。しかし、こうした状況であっても、まだまだ開発と投資が必要不可欠な極東地域ということで、プーチン政権の積極的な開発は続いている。最近では、極東地域に先進社会経済発展区と呼ばれる新型特区を次々と設立し、「ウラジオストク自由港」も設置され、投資誘致、特に外国企業の呼び込みに余念がない。先日開催されたEEFでもこれらの成果が大々的に発表された。ここ数年、極東地域の鉱工業生産の伸び率はロシア平均を上回っており、ここ3年の域内総生産は平均で4.2%増、2017年の上半期だけで設備投資が20%増となっている。

中馬瑞貴研究員

 

(一社)ロシアNIS貿易会(東京都中央区)中馬瑞貴研究員上智大学外国語学部ロシア語学科卒、慶應義塾大学法学研究科政治学博士課程。2008年より同社。


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