▲前回2015年の会場の様子。今回は海外企業の参加も増え、過去最大規模での開催となる。

「国際ロボット展」過去最大規模 

協働ロボ、サービス産業に広がり

(一社)日本ロボット工業会(東京都港区)と日刊工業新聞社(同中央区)が主催する「国際ロボット展」が過去最大規模になる。介護や福祉、農業、災害対応など活躍の幅は拡大を続けており、海外からの注目も高まっている。

 

海外企業からの参加相次ぐ

国際ロボット展2017

国際ロボット展2017

国際ロボット展は産業・サービス用ロボットと関連機器の展示会として2年に1度開催されている展示会で、今回で22回目。会期は11月29日~12月2日まで。前回開催時は446社・1882小間が出展していたが、今回は166社増の612社・2775小間へと急拡大した。海外からの出展者も23社増の80社・252小間となった。出展国はアメリカ、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、ハンガリー、デンマーク、オーストリア、カナダ、スロバキア、中国、台湾、韓国の13カ国・地域となっている。

 

技術の進化によりロボット製品がさまざまな業界で活用されるようになったことから、本格的に開発に乗り出す企業も増えたことが要因となる。産業用ロボットの分野では人と同じ場所で働く「協働ロボット」の開発が進んでおり、従来は安全上の配慮からロボットと人を柵で隔てる必要があったが、機能の向上から柵無しでも作動できる製品も登場している。こうした技術進歩により生産や医療の現場でも導入が進んでいる。介護や福祉、サービス業で働くサービスロボットも進化を見せている。
センサーや画像認識技術が向上し低価格化していることから、音声で対話できるコミュニケーションロボットが次々と登場している。

 ▲北九州工業高等専門学校に拠点を置く学生発ベンチャー企業  Next Technology(福岡県北九州市)が開発する、 足のにおいに反応する犬型ロボット「はなちゃん」も出展する


▲北九州工業高等専門学校に拠点を置く学生発ベンチャー企業Next Technology(福岡県北九州市)が開発する、足のにおいに反応する犬型ロボット「はなちゃん」も出展する

ロボット産業市場の将来予測

日本語が話せない外国人観光客に多言語で音声対話し、目的地へと案内する自立移動式ロボット「Libra」なども開発されており、活躍の場はますます広がるとみられている。ロボット産業の市場規模は年々拡大を見せている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO・神奈川県川崎市)によると、

ロボット産業市場は2015年に1.6兆円で、35年には9.7兆円にまで拡大すると予測されている。特にサービス産業における拡大が広がるとみられており、フィットネスや健康モニタリングといったヘルスケア関連や清掃・警備、教育、アミューズメント、家事・見守りなど、生活に関わる産業にも急速に広がるとの見方もある。

展示会の運営委員長を務める川崎重工業(東京都港区)の橋本康彦常務は「人と協働するロボットの登場が、今回の大きなトピックの一つとなるだろう。前回は12万強の人が来場したが、今回は13万人を目指したい」と話している。

 


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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