豊富な資源が眠る“極東” ~深掘りロシア経済~

今年9月6、7日、ロシア極東のウラジオストクで第3回東方経済フォーラム(EEF)が開催された。アジア各国から多数の参加者が集まる中で、焦点となっているのはロシア極東の開発だ。ソ連崩壊によって失われた極東開発の再開は、アジア経済にどんな変化をもたらすのか。

東方経済フォーラムで関心集まる

 石油や天然ガス…豊富な資源が眠る“極東”

~深掘りロシア経済~

EEFは、ロシア政府主催の国際経済会議で、極東地域の経済開発や、同地域とアジア太平洋地域との経済協力を主要テーマとして2015年から開催されている。15年の第1回からプーチン大統領自らが参加する大統領肝いりの会議だ。第2回には日本の安倍総理大臣と韓国の朴槿恵大統領(当時)が出席し、第3回となった今回もプーチン大統領、安倍総理に加えて、韓国の文在寅大統領、モンゴルのバトトゥルガ大統領が参加した。

EEFの参加者は世界各国の経済・ビジネス界を中心に、第1回は約2500人、第2回は約3500人、今回は60カ国以上から約6000人となった。
年々大規模化しており、ロシア極東に対して同国内はもちろん、日本を含むアジアの関心が高まっている。

◆人口は希薄、資源は豊富

極東とは、首都モスクワから遠く離れた、太平洋に面した東の端の地域を指す。行政区画として極東連邦管区と呼ばれる地域は、サハ(ヤクート)共和国、カムチャツカ地方、沿海地方、ハバロフスク地方、アムール州、マガダン州、サハリン州、ユダヤ自治州、チュコト自治管区という9つの連邦構成主体で構成される。

ロシア最大の面積を誇るサハ共和国(約308万平方km、インドとほぼ同面積)を含め、国土の約3分の1を占める。その広大な面積とは対照的に、厳しい気候や主要産業に乏しく、インフラも未整備という社会・経済条件から、100万人都市を1つも有さない人口の希薄な地域だ。一方で、サハのダイヤモンド、サハリンの石油や天然ガス、寒冷地帯に広がるタイガ、沿岸の水産物と資源は豊富で、中国と長い国境を接し、海を隔てて米国、韓国、日本など外国とのアクセスも悪くない。

そのため、ソ連末期や1990年代から連邦政府によって極東地域の開発や発展の必要性については常々語られていた。しかし、ソ連崩壊によって経済不振と財政難、政治的混乱に直面したロシアでは、外交路線が欧米、すなわち西側重視に向いていたこともあり、モスクワから東に遠く離れた極東の開発が具体的に実現することはなく、後回しになっていた。

中馬瑞貴研究員

 

(一社)ロシアNIS貿易会(東京都中央区)中馬瑞貴研究員上智大学外国語学部ロシア語学科卒、慶應義塾大学法学研究科政治学博士課程。2008年より同社。


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