自治体の複合イベント活況

NO Maps

▲北海道、札幌氏などが5~15日に開催した「No Maps」

狙いはクリエイティブ産業の活性化

 一般人向けの音楽・映画イベントとビジネス向けの展示会・マッチングイベントを組み合わせたクロスメディア型イベントを主催する自治体が増加している。狙いは地域の産業振興と交流の活性化で、コンテンツ産業を通じて地域に新たな賑わいを作り出す狙いがある。

北海道や札幌市、地元企業、経済団体が5~15日、札幌市内でクロスメディアイベント「No Maps」を開催した。27のビジネスカンファレンスと14の音楽イベント、81作品がノミネートする短編映画祭、車の自動走行や自転車シェアサービスの実証実験会など複数のイベントを融合複数のイベントを融合させたもので、今回が初開催。

 

会場は札幌市中心部の会議場やライブハウスなど25施設にわかれており、家族連れや道内外のビジネスマンが多数来場した。 イベントの狙いは新たな産業の創出だ。実行委員長を務めるデジタルコンテンツ制作のクリプトン・フューチャー・メディア(札幌市)の伊藤博之氏はクリエイティブな発想や技術を生み出そうとする人々が集まる場を作りたいと考えた。札幌にはたくさんのクリエイティブな考えを持つ人がいて、新しい技術やサービスを作り出している。この流れを国内外に広めていき、また、若者に挑戦する土壌として築いていきたい」と語る。

札幌市もイベントの開催を支援した。12日には秋元克広市長が会場の一つである札幌駅前地下通路のビジネス展示会場を訪問。道内のベンチャー企業を視察してサービスについて説明を受けるなどし、イベントをPRした。会期中には市内の公道で、群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センターが開発する車両の自動運転実験も実施。市が抱える高齢化やドライバー不足の解決に向けて新技術の実用化につなげる狙いだ。

 

札幌駅前のビジネス展示会場には、ファミリーや若者も足をとめた

▲札幌駅前のビジネス展示会場には、ファミリーや若者も足をとめた

他に先駆けてこうした複合型イベントに取り組んだのは福岡市だ。同市では2011年から地元企業などにより音楽・ITなどクリエイティブ産業関連イベント「明星和楽(みょうじょうわらく)」を開催。高島宗一郎市長がイベントに参加するなど、自治体として開催を支援した。

兵庫県神戸市も今年5月6~7日に、市内のイベント施設でクロスメディアイベント「078(ゼロ・ナナ・ハチ)」を初開催した。音楽ライブや映画祭、グルメ・ファッションイベント、IT系ビジネスカンファレンスなど複数のイベントを融合させた市民参加型イベントで、約3万6500人が参加した。078の狙いは市の新たな魅力づくりだ。実行委員長である神戸大学の藤井信忠准教授は「神戸の魅力と言うと港や歴史といった昔から作り上げられてきた価値観ばかりが先行する。そうではなく、若者に選ばれ、若者が活躍する町づくりをしていかなければ、神戸という都市の産業が活性しないと思い、こうしたイベントをはじめた」と語る。

ビジネスカンファレンスには道内を中心に沢山の来場者が訪れた

▲ビジネスカンファレンスには道内を中心に沢山の来場者が訪れた

 

こうしたクロスメディアイベントの発想の元となっているのが、米国テキサス州のオースティンで開催されている「SXSW(サウスバイサウスウエスト)」だ。1987年に音楽イベントとしてスタートし、その後は映画やIT系ビジネスなどにジャンルを拡大。過去には開発後間もないTwitterが出展して脚光を浴び、世界に広がるきっかけになるなど、現在では10日間の会期で8万人以上が参加している。

078を主催する神戸市は「SXSWは田舎町だったオースティンをクリエイティブ産業が集まる場へと変化させたと聞く。もちろん、イベントを開催してすぐに変化が現れるものではないが、こうした取り組みを続けることで、市の産業や市民に新たな魅力を見せていきたいと考えている」と話す。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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