▲ドイツ貿易・投資振興機関日本事務所(東京都千代田区) 浅川石見代表

ドイツで実用化進む

2022年の原子炉全廃を決定しているドイツのエネルギー業界で、水素の実用化に向けた動きが活発だ。ドイツ北部で風力により発電された余剰電力を、水素に変換して全土に運ぶ計画が部分的に実証化されている。きっかけとなったのは、2013年に天然ガスのパイプラインで、10%以下(地域によって2~5%)であれば水素を運ぶことが認められたことだ。昨年夏には、連邦政府がエネルギー事業に関する3つの関連法案を通過させ、再生エネルギーを電力市場に流通させる具体的な手順が整備された。

エネルギーの自由化が技術と制度両面で進むドイツで、すでに商機を見いだす日系企業もある。旭化成は風力で発電した電力を水素に変換するときの電気分解に必要となる先端技術を持ち、現地で実証実験に参加している。

日立造船は水素製造や、水素とCO2を反応させることで得られるメタン生産技術を持つ。昨年10月には発電施設を建築設計するスイス系企業を買収するなどエネルギー分野に注力する。

これらの状況を受けて、大手エネルギー会社から関係者を呼ぶ「日独産業フォーラム」が、11月21日に開催される。主催はドイツ政府機関で日本からドイツに進出する企業を支援するドイツ貿易・投資振興機関(GTAI・東京都千代田区)だ。エネルギー関連の先端技術を多く持つ日本企業に対して、ドイツへ進出を促す機会としたい考えだ。

会議では旭化成と日立造船の担当者も登壇し、最新事情を説明する。ドイツからは大手電力会社EWEAGや、水素エネルギーを使った電車を開発する大手重電メーカーAlstom Transport Deutschland の責任者らが登壇する。また、三菱東京UFJ銀行の安部勝ドイツ総支配人は、ドイツ経済と日系企業の動向について説明する。

日独産業フォーラムは、今年で13回目の開催だ。毎回、テーマを設定して関係者を集めており、昨年は「健康社会」として福祉・健康関連産業の関係者が日独双方から200人前後が参加した。

参加費は無料で、会議終了後には関係者が参加するレセプションも開かれる。日本事務所代表の浅川石見代表は「エネルギー産業に進出を真剣に目指す日本企業の参加を待っている」と話している。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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