▲大阪商業大学 谷岡一郎学長(61)
大阪商業大学内にアミューズメント産業研究所を設立し、ギャンブルに関する学問的研究を、自ら研究者として進める。大阪IR推進会議メンバー。

~この人に聞く~

大阪商業大学の谷岡一郎学長は、IRに関する研究者の団体、IR*ゲーミング学会の会長も兼務する、カジノ・IR研究の第一人者だ。日本でカジノに関する議論が始まったばかりの2001年に、大商大内にアミューズメント産業研究所を開設し、未開の分野で研究を続けてきた。30年に及ぶカジノ・IRに関する研究と、今のIR議論に対する考えを聞いた。

―カジノ・IRに関心を持ったのはなぜか
谷岡 1985年ごろに犯罪学の研究を始めたのがきっかけだ。そこからギャンブルと社会の関係に関心を持ち、90年代中頃からギャンブル社会学という研究を始めた。同じ頃、パチンコ店の駐車場で車の中に置き去りされた子供が死亡する事件が報道されるようになり、社会の関心も高まった。そのため、最初はギャンブル依存症の研究が中心だった。

―研究はどのように始めたのか
谷岡 初めは文献を集め続けた。アメリカではネバタ州ラスベガス大学を中心に、カジノの研究が進んでいたが、日本では誰もいなかった。アメリカに行くたびに、大量の関連文献を買いあさり、日本に送るのがライフワークだった。今、アミューズメント研究所には1万冊以上の関連文献があるが、自分が買い集めたものが大半だ。

―IR*ゲーミング学会を設立した経緯は
谷岡 2001年に、当時の石原慎太郎都知事が「お台場カジノ構想」を打ち出した頃から、国会議員の間でもカジノを日本で合法化することを検討しようとする動きが出てきた。その頃、野田聖子議員や岩屋毅議員から、学術的な立場から意見を出す組織の設立を要請され、2003年にIR*ゲーミング学会を設立した。

―現在のIRに関する議論について、どう考えるか
谷岡 依存症、犯罪の増加、マネーロンダリングなどを理由にIRの開設に反対する意見が大半だが、それらは根拠のないものが多い。犯罪や依存症の観点からギャンブルを研究してきたが、カジノと犯罪発生率、依存症患者の上昇率に相関関係がないことは世界の研究者の間では常識だ。法律と制度で健全に運営されているのが、今のIRだ。根拠のない議論が続くのは、今に始まった事ではないが。

―日本のIRは成功するか
谷岡 日本は食においても、文化・芸術においても世界に比して高い競争力を持つ。IRは究極のエンタテインメント産業であり、それらが強い武器となる。競争の中で素晴らしいエンタテインメントが育つ以上、面白くないものは淘汰される。それも事実だ。絶対に潰れないIRなどない。どんな産業においてもそれは同じことだ。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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