▲まどかが制作する点字案内図。凹凸がなめらかに印刷され、長文を読み取っても手が痛まない

2020東京五輪・パラリンピックの開催まで、あと1050日を切った。会場の整備などが急がれる中で、バリアフリー関連事業に注目が集まっている。

案内図、日用品…バリアフリーは道半ば

「五輪のメダルに触ると種別がわかるように、点字でデザインを付けてみてはどうか」。7月に都内で開かれた東京五輪・パラリンピック組織委員会のアスリート委員会の中で意見があがった。射撃でパラリンピックに3大会連続で出場した田口亜希委員の発案だ。会の最中には、シャンプーとリンスはボトル側面の点字の有無で判別できるようになっているとの事例も紹介。「メダルに刻まれた線の本数で金、銀、銅を区別するのはどうだろうか」と提案すると、他の委員も賛同した。

点字とは、縦に3点、横に2点の計6点に、「○」と「-」で印をつけて50音を表現する文字だ。食料品や日用品、施設の案内板など、近年ではさまざまな場所で見かけるようになった。

五輪・パラリンピックの開催に向けて、駅などの公共施設をはじめ、さまざまな施設で点字案内図の設置が進んでいる。日本は2016年4月に公共交通機関や公共施設に設置する点字案内図の国際規格を発行。高齢者や障害者、海外からの旅行者に向けて、触知で移動を支援するツールとして導入を進めている。

点字は駅のホームや道路などにも活用されている

こうした点字案内図の制作をおこなっているのが、サイン制作のまどか(大阪府富田林市)だ。施設に設置する地図や手すりなど、さまざまな点字シートの制作を展開している。

確かな需要がありながら、対応する企業は多くないという。点字のデザイン自体が複雑であるため、コストもかかる。また、一つ一つの点の凹凸にも、こだわりがある。「凹凸の触感がなめらかなのが特徴。長く読み取っても指が痛まず、スピーディに読み取ることが可能だ。当社はデザインも内製化して印刷をおこなっているためコストを抑えられるが、外注している企業では難しいだろう」と、同社の内藤俊介氏は話す。

五輪・パラリンピックに向けたバリアフリー完備はまだ遠い。大会開催により注目される事業は、他にも多そうだ。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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