過去最多27万人が来場

開催20回目にして過去最多の動員数を記録したのは、(一社)コンピュータエンターテインメント協会(東京都新宿区)が主催する「東京ゲームショウ」だ。昨年9月15~18日の4日間で27万1224人が来場。2013年に記録した27万197人を1000人上回った。

要因はVR(仮想現実)機器の登場だ。ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2016年10月に「プレイステーション(PS)VR」の発売を控えていたことから、会場内にVRコーナーを新設。出展した大手ゲームメーカーもVR用ゲームを多数出品したため、多くの来場者がPSVRをいち早く体験しようと殺到する結果となった。

企業同士の商談会としても海外からの注目が高まっている。一般公開に先立って開かれたビジネスデーには、前年より6500人多い6万5033人が来場した。イベントの中で海外企業との商談会として開かれた「アジア・ビジネス・ゲートウェイ」には前年より100社上回る1149社が参加し、海外進出への足がかりとしてゲームショウを活用する企業が増えているようだ。

一方で、増えすぎる来場者に悩む声も聞こえている。千葉県から来場したゲーム開発会社勤務の矢沢慎之介さんは混雑する会場に不満を漏らす。「せっかく参加しても、ゆっくりとブースを回る余裕がない。最新ゲームの試遊が一番の目的だが、混雑しすぎているので、1日で1~2作品に触るのが精いっぱい。実りある体験ができるとは言い難い」

中小企業にとっても、出展しやすい場とは言い難いようだ。スマホゲーム開発のSSJ(東京都板橋区)の成秀才社長は、数年前、前職のゲーム開発会社で出展。「来場者は皆、大手ゲーム会社を見に来ているだけ。目当てでない企業のブースに立ち寄る人はほとんどいない。来場者がどれだけ多くても、知名度のない企業がPRするには向いていない」と話した。

▲過去最多の来場者数を記録した「東京ゲームショウ2016」

観光誘致狙い 自治体も参加

同じく過去最多の来場を記録したのが、3月23~26日に開催したアニメ産業の展示会「Anime Japan」だ。前年を1万人上回る14万5453人が来場した。

こちらもビジネスデイの来場者に変化が見られる。一般公開日に先駆けて2日間開催され、前年よりも750人多い4051人が来場した。

事務局を務めるソニー・ミュージックコミュニケーションズ(東京都新宿区)の椎根剛氏は「これまではアニメコンテンツを海外に輸出するバイヤーが多かったが、近年は国内企業や地方自治体が来場するようになった」と話す。

背景には、近年盛んになっているアニメの舞台となった地域をファンが訪れる「聖地巡礼」がある。昨年公開されたアニメ映画「君の名は。」の舞台となった岐阜市や飛騨市では、作品に登場した場所を観光客に向けて紹介するパンフレットを共同で製作。観光客の誘致につながるため地元企業と連携するなどの取り組みをおこなった。

「観光資源のない地域でも、アニメ作品の舞台に選ばれると、観光客を誘致できる。そんな意図から参加して、アニメ業界との出会いを求める人が多くなっている」(椎根氏)

▲アニメファンが殺到する「Anime Japan」

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