小売・流通業者が新商材探し

個人の愛好家ではなく、純粋なる業界のプロのための展示会という観点から見た場合、最も来場者数を多く集めたのは、5位の「東京インターナショナル・ギフト・ショー」だろう。毎年、春と秋に東京ビッグサイトの全館を使用して開催されるギフト・ショーを訪れるのは、小売・流通業界の仕入れ担当者たちだ。百貨店、量販店、個人のセレクトショップ、あるいは、式場、企業の販促担当、通販業者など、それぞれが所属する組織は幅広い。

展示されるのは雑貨、小物、家具、アパレル、おもちゃ、食品など贈答品として扱われる商品だ。日本中から目利きの仕入れ担当者が集まるため、彼らに商品をアピールしたいメーカーや商社が出展する。必ずしも贈答品に縛られているわけではないが、ギフトと銘打たれているだけあって、日本初上陸や、職人が手作りした一点物の商品など珍しいものをたくさん見つけることができる。

ギフト・ショーは1976年に始まって以来、何度か急拡大する局面があったが、主催のビジネスガイド社(東京都台東区)を率いる芳賀信享社長が変化のタイミングとしてあげるのは2006年だ。この年、家具販売のニトリが東京に第1号店を出し、IKEAが日本1号店を千葉・船橋に出した。無印良品の台頭も加わって生活まわり全般を扱う小売店が市場を席巻した。その影響を一番受けたのが限られた商材だけを専門に売ってきた地域ごとの小売店だった。

生き残りをかけた小売店は商材の幅を広げるために、ギフト・ショーに集まった。そんな来場者の状況を感じ取り、同社も他にはない新しい商品を売る出展企業を集めることに力を注ぐようになった。出展企業の一つ、男性向けのカジュアル服をデザインするサンブレスト(愛知県名古屋市)は、父親向けのプレゼント需要を狙ったチョークで落書きできるTシャツを展示した。会社の売り上げは量販店から受注するOEM商品の生産が軸だが、自社のブランドを育てるため、他にはない商品を企画して定期的にギフトショーに出展するという。

苔(こけ)を瓶に詰めたオブジェで、昨年初めて出展した苔むすび(神奈川県鎌倉市)の園田純寛社長は、脱サラしてからまだ間もない。ECサイトでの個人向け販売が中心だが、百貨店との取引を狙い出展した。園田社長にとって、バイヤーに直接商品を見せることができる貴重な機会となっているのだ。

ギフトショーは出展申し込みが多く、販売区画が売り切れてしまう。だが、すでにビッグサイトを全館利用していることから、同じ期間中の拡大は望めない。そこで、ビジネスガイド社は昨年から通常会期の1週間前にビッグサイトの一部を追加で借り、「ギフトショーLIFE&DESIGN」として、家具や住宅関連商材を切り分けている。

敷地を広げられないので、期間を延ばして増床しようという苦肉の策だ。年間の稼働率が約7割に達するビッグサイトで、さらに敷地を広げることは簡単ではないが、会場の都合がつけられれば、ギフトショーの拡大はまだまだ続くだろう。

▲東京インターナショナル・ギフト・ショーLIFE&DESIGN

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