“環境技術の集積地”海外へ発信~わが町を世界へ~

▲海外からの参加者とのビジネスマッチングが魅力

「公害の町」から「エコタウン」へ

川崎市が毎年2月に開催する「川崎国際環境技術展」は、海外45カ国から来場者が集まる国際的な展示会だ。イベントを通じて市内の環境技術の高さをアピールするとともに、街のブランディングにも奏功している。

9回目の開催となる今年2月の川崎国際環境技術展には、2日間で1万5500人が来場した。そのうち約200人が海外からの来場者で、アジアや欧州からの参加が多い。

出展企業は市内の中小企業がほとんどだ。排ガス浄化装置など大気・土壌・水環境ビジネスや水素エネルギー、再生プラスチック製品といったエコプロダクツなどの環境製品を扱う企業133社・団体、216小間が出展した。環境分野に高い関心を持つ来場者ばかりなので商談にもつながりやすく、ビジネスマッチングの場として好評を博している。

同展がはじまったのは2009年のことだ。市内外に向けて市内の環境に対する取り組みを発信する狙いがあった。事務局を務める川崎市経済労働局の鈴木勇二氏は「かつては公害の町というイメージが付いていたが、市民と企業によってそれを払しょくしてきた歴史がある。その中で培われてきた環境技術や製品を世界に発信することで、ビジネスマッチングや国際貢献につなげたい」と語る。

現在、市内には4万事業所があり、うち製造業は3300所ある。その多くが水素やエネルギー関連などの環境技術を扱う企業だ。三菱化工機やJXTGエネルギーの製造所などの大手企業の拠点も多い。

市の環境に対する取り組みは40年以上前からはじまった。当時、市内では高度経済成長期に工場が急増したことで自然破壊と環境汚染が進み、公害病のまん延が問題化していた。公害の町という汚名を払しょくすべく、市として公害防止策に注力しはじめた。

97年には政府から国内第1号となるエコタウン地域に認定され、市南西部の川崎区にはリサイクル関連施設の誘致が進められた。市内に環境技術が集積され、国内外からの関心も高まってきた。

「今では、市内の企業や工場を視察するために1000名規模の来訪がある。ロシアや中国やタイ、ベトナム、コロンビアなど、環境技術に関心が高い国からの視察団で、年々人数が増えている」(鈴木氏)

初年度は8000人だった同展への参加者も、増加傾向を維持している。海外からも毎年約200人が参加し続けていることから会場内には英語・中国語の通訳が配置されており、中小企業のビジネスマッチングを支援している。

「市内にはまだまだ環境技術の高い企業がたくさんある。たとえば、日本原料だ。浄水場の、ろ過砂の製造を手掛ける企業だが、国内トップシェアを握っている。こうした突出した製品・技術が展示会に来ると見つかる、ということが大切だと思っている」(鈴木氏)次回開催は18年2月1~2日。会場は「とどろきアリーナ」(川崎市)だという。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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