語る手記(1)

禁酒、禁煙、禁麻雀と、選手の私生活や食にまで口を出した元西武ライオンズ監督の広岡達朗さんの管理野球に、「親分」の愛称で慕われた大沢啓二さんが噛みついた。「オラァ面白かねェぜ。葉っぱ食って強くなるなら、毎年、羊がホームラン王よ」。

山本章二さんの著書『ついついの発言』で読んだ。不意をつかれて出た言葉には、人となりが見えるから面白い。歯に衣着せぬ物言いが愛された大沢親分の魅力が詰まっている。

ついついの発言に苦しむ人もいる。名古屋市に新たな展示場の建設を切望する河村たかし市長は3月の市議会で、建設予定地の調査を「(大村秀章愛知県知事から)やってちょーよと言われた」と答弁すると、大村知事は「言っていない」と大激怒。計画を進めるには大村知事の承認が必要なのだが、以来、交流断絶なのだから頭が痛かろう。

落語家の立川談志さんは参議員時代、沖縄視察中に記者から「公務と酒とどちらが大切か」と問われ、「酒に決まってんだろ」と失言し、議員を辞したとの逸話を聞いたことがある。「やってちょーよ」はうそかまことか。真偽のほどは確かめようもないが、公職に就く人にとって「ついつい」言葉は命取り。名古屋新展示場を夢見た者は報われまい。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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