企業データベース活かして

地域密着型展示会でありながら、これほどまでに出展・来場者が集められるのはなぜか。それは、公社ならではのネットワークにある。

産業振興公社とは、地域の中小企業の支援を目的に、地方公共団体の外郭団体として各都道府県に1団体ずつあるものだ。業務は企業間のマッチングや社員向け研修、海外進出支援、後継者育成、産学連携、創業支援など多岐にわたり、各地域の中小企業と深い関係を持っている。

埼玉県産業振興公社もその一つで、同展も県内企業に向けたマッチングと情報発信の場を提供することを目的にはじめられたものだ。公社のサービスの中には、利用する際に企業情報などを登録する必要があるものもあり、同公社には現在約5000社の受発注企業情報があるという。こうしたデータベースが集客・出展募集の基となっている。

県外企業の参加にも同公社のネットワークが生かされている。同展には茨城県中小企業振興公社や栃木県産業振興センターなど他県の団体も共催しており、同じように地元の中小企業への発信力を備えている。同展はいわば、中小企業の相談窓口である公社のネットワークを結集して開かれているイベントと言っても過言ではない。荒井さんは「タイやベトナムなど海外からの出展も少なくないが、これは公社が海外進出支援も実施しているから。海外からの窓口となっているため、こうした展示会を開く際には、各部署を通じて周知する」と話す。

低予算で大規模開催

同展がはじまったのは2003年ごろ。1990年代後半ごろから県内の体育館などで小規模の展示会を年3回程度開催していたが、スーパーアリーナのオープンを機に統合し、名前を一新した。当初は1万人規模の展示会だったが、毎年開催することで県内外における知名度も向上した。県の予算などがついているわけではないため、1小間あたり7万7000円の出展料だけで会場費や告知費用を含む全てを賄っている。

「県内だけに限っても、このイベントを知らない企業は非常に多い。予算があればもっと多くの人を集めることもできるとは思うが、会場の規模からしてもこれ以上出展数を増やすことはできない」(荒井さん)県内の中小企業ばかりが集まることから、出展企業同士の交流も深い。リピート企業も多いといい、次回も賑わいを見せそうだ。


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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