▲旧広浦小。耐震工事を行い、観光振興施設として活用する

人口減に歯止めをかけようと、地域振興施設の運営に着手する地方自治体が増えている。茨城県にある茨城町は、閉校となった小学校を地域の文化体験ができる施設へと改修し、交流人口の増加につなげる。地域の観光資源を活用することで、知名度の向上を図る狙いだ。

「茨城町には涸沼(ひぬま)という大きな湖があって、旧広浦小学校は、その涸沼をちょうど見下ろすような高台に立っています。町内には宿泊地も不足していますから、観光施設兼宿泊施設として再活用していきたいと考えています」

そう語るのは、茨城町の企画政策課だ。学校再編に伴い閉校になった町内6小学校の利活用計画を、今年4月にまとめた。そのうち1校は庁舎にし、旧広浦小は宿泊機能を持つ観光振興施設へと再活用する。

同町は人口3万3042人、1万2758世帯が住む小さな町だ。1994年には3万5000人が住んでいたが、じわりと減少を続けており、出生率は県の平均を下回った。人口減を食い止めたい町の政策と、廃校を惜しんで再活用を求める地域住民の思惑が合致した。

課題となるのは知名度の低さだ。水戸市に隣接し、北関東自動車道が通る立地にありながら、売りとなるものに枯渇していた。近年になって、住宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」がはやりだすと、茨城町の農家が農業体験付きの民泊をはじめだした。町最大の産業は農業。これを活用しようと考えた。

もう一つの売りは、水だ。涸沼は海水と淡水が混じり合う全国的にも希少な汽水湖だ。貴重な水鳥の生息地としてラムサール条約にも登録されており、釣りの名所でもある。閉校した6小学校の中でも涸沼に近いことから、旧広浦小は町の観光スポットとして適していた。

涸沼は全国的にも希少な湖で、釣り人にも人気だという

同じく茨城県にある常陸太田市も、閉校した小学校を12年9月に観光施設「かなさ笑楽校」としてオープンした。農作業体験や自然散策、そば打ち、豆腐作りなどができ、9室の宿泊室がある。大つり橋で有名な渓谷・竜神峡とともに、同市の観光スポットとしてにぎわいを見せている。

「かなさのような施設になれれば。今~来年度には施設の詳細な改修計画を決める。交流人口の増加につながるよう、広く周知していきたい」(茨城町企画政策課)


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国際イベントニュース 編集部 長谷川遼平

2012年入社。賃貸住宅に関する経営情報紙『週刊全国賃貸住宅新聞』編集部主任。起業・独立の専門誌『ビジネスチャンス』にて新市場・ベンチャー企業を担当。民泊やIoTなど、新産業を専門に取材中。

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