悲痛な訴え、都に届かず ①~シリーズ五輪の影~

▲26日の説明会では、東京ビッグサイトの竹花社長のほか、東京都産業労働局商工部の伏見充明課長らが登壇した

2020年の東京五輪・パラリンピック開催によって東京ビッグサイトの利用が制限される問題を巡り、主催者や支援会社の不満が強まっている。4月26日に東京ビッグサイトは2019年4月から20年11月までの計20カ月に及ぶ制約状況の説明会を実施したが、制約期間がわずか2カ月間短縮されるにとどまっており、解決の見えない現状に関係者らは猛烈に反発している。

「東京都もビッグサイトも、会場問題に対する認識が甘すぎる。あの場で開かれている展示会が中小企業の売り上げを支えているということを、全く理解していない」説明会に参加した展示会支援会社の社長は怒りをあらわにする。

主催者や支援会社などが「例年通り展示会を開催」できることを望んでいるのに対し、都が出した答えは「青海展示棟以外の制約を2カ月分短縮する」ことだ。ビッグサイトは20カ月間で既存の展示棟の約66・5%分しか利用できない。都と展示会関係者の溝は深まるばかりだ。

主催者などの反発を受け、都は代替施設となる青海展示棟を2019年4月から20年11月まで設置するとしている。だが、同棟の展示面積はビッグサイトの約4分の1の大きさとなる2万3200㎡しかない上に、20年7~9月の3カ月間は利用できない。

(一社)日本展示会協会(東京都千代田区)のもとには反対を求める署名が14万6482通(5月2日17時現在)も寄せられているが、その声が反映されたとは言い難い。展示会関係者は、会場問題の解決を誰に訴えるべきかもわかっていないのが現状だ。

26日の説明会は東京ビッグサイトが主催し、東京都の代表としては、ビッグサイトを管轄する産業労働局商工部の伏見充明課長が登壇した。だが、メインプレスセンターと国際放送センターの会場を同施設と決めているのは都と組織委だ。商工部はビッグサイトの担当ではあるものの、五輪運営における会場選定を行っているのは別の部署となる。そのため、同日の説明会には交渉の余地がなく、ただ結論のみを押し付けられるに終始した。

説明会の質疑応答の中で東京ビッグサイトの竹花豊社長は「メディア会場の場所を決めているのは我々ではない。この説明会は、ビッグサイトをメディア会場として使用することを前提として、スケジュールの調整をした結果を説明する場」と話し、都の伏見課長は「メディア会場をビッグサイトから別の場所へ移す検討は、今のところない」と回答した。展示会関係者らの不満は行き場を見つけられぬままだ。展示会関係者と都側で焦点が合わない現状が、問題を複雑化させている要因と言えそうだ。

ビッグサイト側「主催者などの信頼を損なうような対応とは考えていない」

展示会の中止による損失は甚大だが、解決への道は遠そうだ。説明会に参加した主催者からは「問題の解決には至らない調整結果に、失望している」などの声が上がったが、都側がそれに応える姿勢はなかった。

本紙が説明会の後、竹花社長にインタビューしたところ「ビッグサイトとしては展示会関係者の声を深刻に受け止め、長期にわたって都や組織委に伺いを立ててきた。今回説明したスケジュールは、そうした話し合いによって結論づけられたもの。それを知らずに、文句だけ言えばいいというものではない」と話した。

また、都が昨年11月に青海展示棟の設置期間を20年11月までに延長したが、そのうち7月から9月までは使用できない件についても「昨年の発表は、あくまで『設置期間』が延長されただけ。五輪開催期間中は周辺でイベントが開けないのは、業界関係者であれば誰でも知っていること。主催者などの信頼を損なうような対応とは考えていない」と話した。

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