国内で開催される国際会議、前年比1割増

▲10年間で1.7倍になった

全国で2847件、仙台市では141件増加

 2015年に国内で行われた国際会議の開催件数が、前年に比べ257件増え2847件だったことを日本観光局が発表した。都市別では東京23区の557件が最も多く、福岡市の363件、仙台市の221件が続いた。仙台市は、「第3回国連防災世界会議」と関連会議の開催で、141件の増加となった。国際会議は、政府が日本再興戦略の中で推進を掲げるMICE(マイス)事業の中核だ。

【用語解説】MICE(マイス)
 多くの集客効果が見込まれるビジネスイベントの総称。企業や団体が行う「会議」を指すMeetingと、従業員向けの「報奨旅行」を指すIncentive Travel、国際機関・団体や学会等が行う「国際会議」を指すConvention、「展示会・イベント」を指すExhibition / Eventのアルファベットの頭文字をとっている。


コングレ(東京都千代田区) 紫冨田 薫常務

 国際会議運営大手のコングレ(東京都千代田区)は、年商154億円(2016年3月期)の約半分を会議と展示会の運営事業で売り上げた。5月のG7伊勢志摩サミットや、2012年に東京で開催した国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会をはじめ、重要会議の運営で実績を残し、昨年は250件を受託した。

 会議を主催するのは官公庁、団体、企業であり、コングレは彼らから企画運営業務を受託する。業務は参加者、会場、主催者との調整や警備など運営に関わる全てを担う。

 官公庁が国際会議の招致に積極的なのは、会議参加者が地域経済に及ぼす影響が大きいからだ。医療や学術系の会議であれば、世界的に権威のある専門家が集まるため、メインの会議以外にも非公式な会議や、彼らを対象とした展示会が併催されることも多い。また、彼らに会うために、国内の業界関係者も多くやってくる。

 コングレの年商は10年間で72億円増加した。一方で、「会議運営だけでは、これまでのような成長は望みにくい」(紫冨田薫常務)とみている。世界的に国際会議の数は増えているが、規模が小さいものが中心だからだ。ここ数年、展示会主催や、施設運営など周辺事業の拡大に注力する。


JTBがハワイの報奨旅行の専門社を買収

 国際会議以外のMICE関連の動きでは、14日に、JTB(東京都品川区)がハワイの旅行会社MC&A社の買収を発表した。同業に対する買収に見えるが、MC&A社は企業や団体が社員向けに行う報奨旅行を強みとしているMICE事業の推進企業だ。


観光庁が国際会議の市場規模を今年度内に発表予定

 MICEの中で、「M」の会議、「I」の報奨旅行、「C」の国際会議を管轄する観光庁は、国際会議の経済規模について、今年度予算で調査を始めており、年度内にも結果を発表する予定だ。主催者の間では国際会議の運営に当たって、参加者一人当たり5万~10万円の予算が目安といわれている。

 一方、会議と報奨旅行は、実態の把握が難しく、今のところ調査予定はない。

 「E」の展示会・イベントを管轄する経済産業省は展示会市場の規模について、「算出方法から含めて現在調査中の段階」(生活文化創造産業課)と話しており、こちらも実態の把握はしていないという。


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎

国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主催者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。専門は投資用不動産市場、省エネ住宅、高齢者住宅など。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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