▲最新の小売り向けシステムが並ぶリテールテック

リテールテックJAPAN「カートに入れるだけで会計」

日本経済新聞社が、7~10日、東京ビッグサイト全館を使い「日経メッセ」として複数の展示会を同時開催した。昨年から出展者数を大きく増やしたのは「リテールテックJAPAN」と「セキュリティーショー」だ。働き手の不足を技術で補う商品を開発した企業の出展が追い風となった。

33回目の開催となるリテールテックは小売流通業向けのシステムを集めた展示会だ。今年は211社978コマが出展し、昨年から55社180コマの増加となった。責任者の石井智章氏によると、数年前からスペースが完売となり出展を断る状況が続いていたことから、結果は予想通りだった。

会計、在庫管理、メーカーへの発注を一括で管理するPOSシステムの大手メーカーが巨大ブースを構えた一方で、商品を陳列するロボットなど、新しい技術も並んだ。日立グループが展示したのは、カートに商品を入れるだけで決済が完了するシステムだ。「小売飲食業会が求める、レジ担当者がいなくても成り立つ店舗への1つの回答では」と石井氏は話した。

日本経済新聞社イベント事業部の石井智章氏

セキュリティーショー「群衆から不審者を特定」

25回目のセキュリティーショーには201社669コマが出展し前年から50社100コマ増加した。こちらも昨年まで断っていた企業が多かった。人工知能(AI)や、ビッグデータを使用した商品の出展が、昨年に比べて増えた。特に、「画像認識技術に大きな進歩が見られた」と責任者の桂景一氏は話した。群衆の中から個人を見つけたり、挙動不審者を発見して警報で知らせる商品が展示された。

2020年の五輪・パラリンピックに向けた展示も見られた。警備業界も人手不足は深刻だ。五輪・パラリンピック開催時は、さらに激化することが明らかなため、「一人あたりの警備範囲を広げることができる技術がさらに発表されるだろう」と桂景一氏は話す。海外では警備員の身につけたカメラで、不審者を割り出すシステムもあるという。

今年から東京ビッグサイトの東7、8ホールを使用することで、全体敷地を拡大した。会場と東京駅、りんかい線国際展示場駅をそれぞれ結ぶ定期無料バスを用意したところ、利用する来場者は多く、好評だったようだ。

セキュリティーショーの桂景一氏


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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