業界通が行く!第5回 「切手業界」

  • 2017/2/24

▲個々の郵便局にしかない、消印用の風景印

オークションに集う切手収集家たち

切手収集の愛好家が集う(公財)日本郵趣協会(東京都豊島区)は、春の「スタンプショウ」と、秋の「全国切手展」という2つのイベントを主催している。

41回目となるスタンプショウは入場無料で毎年7000人が訪れる。切手の収集家といえば、今も中高年以上の男性が中心だが、最近は好みの切手を探しにくる女性来場者の姿も目立つ。「使うために切手を探す人や、最近はシールのように飾りとして使う人もいる」と長年イベント事業を担当してきた寺尾幸治は、来場者の変化を感じている。

52回目となる全国切手展は入場するのに1000円が必要だ。そのため、スタンプショウに比べると昔ながらの切手収集家の姿が目立つ。昨年は5000人が訪れた。

春、秋どちらのイベントでもメインとなるのはオークションだ。毎回100人以上が会場の椅子に座り、来場できずに通信で参加する人がさらに100人いる。協会には800人のオークション参加者名簿がある。彼らには開催前に最低落札価格が記された出展商品のリストが送られるのだ。

オークションに出展される商品には、故人となった収集家の家族から出されるものも多い。11月のオークションでは引き取った押し入れの段ボールの中に、550万円の値がついたお宝があった。


▲オークションで550万円の値がついたお宝切手

オークション担当の大谷真人は、精算額を振り込まれ驚いた家族から、立派な御礼状を受け取った。愛好家が探すのは必ずしも切手だけではない。郵便局で押印される消印を集める人もいる。切手と消印の組み合わせで価値が全く異なるのだ。使用済みの切手の方が価値が高くなることも多々あるという。

その郵便局にしかない特別な消印用スタンプもある。地域の風景をあしらった絵柄で、風景印と呼ばれるものだ。消印は52円以上の切手が貼られたものにしか押印できないため、わざわざ切手を貼った台紙を用意して、郵便局を回り風景印を集める収集家もいるということだ。


▲日本郵趣協会の寺尾幸治氏(左)と大谷真人氏(右)


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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