お城EXPOに1万9000人集う

100名城のスタンプラリー 中高年の間でブーム

展示会や商業施設のディスプレイ大手、ムラヤマ(東京都江東区)が、12月のクリスマス真っただ中に、城の愛好家を集めたイベント「お城EXPO」を開催し1万9000人が集まった。中高年の間で全国の城を巡るスタンプラリーが流行していることにに注目して企画されたが、会場には高齢者から子供まで幅広い層が集まった。

 

発案者であるムラヤマの荒川正樹取締役は、3年間で50カ所の城を歩いた城マニアの一人だ。元々、城巡りが好きだった荒川氏が一層のめり込むきっかけになったのは、学研が発行した「日本100名城公式ガイドブック」「日本100名城に行こう」という本との出合いだ。

2007年に初版されたこの本は、(公社)日本城郭協会の監修のもと、同協会が2006年に選定した日本100名城について解説するものだ。発行部数はシリーズ累計で44万4000部に及ぶ。荒川氏は、この100名城のうち、50城の登城を果たした。

100名城にはそれぞれスタンプが設置されている。これを集めるスタンプラリーが中高年の間でブームとなったのだ。本の中にはスタンプ帳が付いており、100カ所全てを押したものを協会に送ると、登城認定証を受け取ることができる。100名城を全て登りきった認定者数は、2016年12月時点で1338人に上る。

「本を購入した人の一部でも集まれば、大きなイベントになるのでは」そんなところから「お城EXPO」は始まった。

スタンプラリーに参加する人の多くは中高年の夫婦だ。そのため、荒川氏は来場者層について、自分と同世代から上の人たちが中心になると想定していた。だが、実際には高齢者から小学生まで幅広い年齢層が訪れた。正確な分析はまだ終わっていないが、想定していなかった結果になりそうだ。

観光資源として、城の裾野の広さが確認できたことで、荒川氏は次回の開催に向けて手応えを感じている。今回、会場には国宝5城をはじめ、地域に城を持つ自治体がいくつか出展した。次回以降、他の自治体や旅行会社、出版社などにも参加を呼びかけたいと話している。

 

地方を救う強力な観光資源

日本100名城は、47都道府県から選ばれています。全てを回るには日本列島を縦断しなければならないのです。お堀や、城郭だけのものも含めると日本には城跡と呼ばれるものが5万カ所あるといわれています。日本に関心を持つ外国人向けに情報発信ができれば、インバウンド消費を獲得できていない地方都市にも大きなチャンスが生まれるのではないでしょうか。

一方で、城の魅力は天守に登ることだけでなく、軍事要塞としての本来の機能や、合戦における逸話など、歴史を知ることで深まるものが多くあります。風景を見せるだけで止めていてはせっかくのブームも一過性のもので終わってしまうような気がします。「中は意外と何も無い」という感想は、よく聞かれるものです。

観光資源として魅力を高めるには、マニア以外の人に向けた情報の発信が必要だと感じます。城巡りをメインにしたインバウンド向けのツアーができたら面白いですね。

▲イベントの発案者であるムラヤマの荒川正樹取締役(57)も、お城スタンプラリーに挑戦中だ


国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎

2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

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