▲初回から13回連続参加する静岡銀行。渡邉沙季さんは、通路で声を出し来場するバイヤーに地元の企業をアピールした

地方銀行フードセレクション
会期:10月23日(火)・24日(水) 東京ビッグサイト 西1・2ホール
地方銀行フードセレクション実行委員会(地方銀行54行)、リッキービジネスソリューション
出展者:970社

地方銀行54行が主催に名を連ねる食品の展示会「地方銀行フードセレクション」に、県外での流通先を探す、地域の食品生産メーカーが出展した。食品を扱う小売、流通業のバイヤーに向けて、販路開拓に精を出す姿が見られた。小売・流通バイヤーにとっても東京では見つけにくい、目新しい商品を探す機会となっているようだ。

地方銀行フードセレクション 県外流通先探す地域食品メーカー

▲4回連続の出展となる菓子製造の玉華堂(静岡県磐田市)は静岡銀行の紹介で、この展示会を知った。今回、花井剛部長は「極ぷりん」をPRした

静岡県内に6店舗を展開する、和菓子・洋菓子製造の玉華堂(静岡県磐田市)は、4回目の出展だ。この会場で、高速道路のサービスエリアに店舗を出す小売業者との販路ができ、続けて出展するきっかけとなった。「県外の小売流通業のバイヤーと知り合い、直接話せる貴重な機会」と営業部長の花井剛さんは話す。地元から離れた場所で販路をつくるのは、紹介などのきっかけでもないと、入り口が見えず難しいからだ。

毎年この会場で会うバイヤーとは顔なじみになり、新しい取引も始まっている。今年も首都圏で多店舗展開する高級小売店のバイヤーと話ができた。「その店で売りたい、という次の具体的な目標ができた」(花井さん)

▲飛騨市役所・商工観光部の出嶋秀章さんは、オンラインショップを始める企業から商品提供の相談を受けた

飛騨市役所の出嶋秀章さんは、仲卸会社との話に手応えを感じた。仲卸業のバイヤーは新しい商品を探すことへの意欲の高さを感じさせるという。昨年は十六銀行(岐阜市)の紹介で出展したが、2年連続の出展を決めたのは、会場で配ったパンフレットを見た仲卸のバイヤーから、会期後にいくつか問い合わせを受けたからだ。

飛騨市が推奨特産品に選んだ、日本酒、米、飛騨牛などの15の高級食材をアピールするのが目的だ。大手小売業者と定期的に取引するだけの量をそろえられる生産者は少なく、数が限られた個性的な商品を売る販路の開拓が必要だ。「食品を取り扱う中でも、幅広いバイヤーがやってくることが、この展示会に出る理由」(出嶋さん)

油揚げの専門メーカー栃尾豆庵(新潟県長岡市)も2回目の出展だった。数年前に栃尾揚げと呼ばれる地元の油揚げがテレビ番組に取り上げられて、その後、全国の小売店に販路が広がった。仲卸業者に加え、ホテルや旅館などの宿泊業者、新しい引き出物を探すブライダル業界のバイヤーとも商談を行った。

地銀54行が出展者集め地元の中小食品生産者が集う

山形銀行の紹介で初出展した寒河江市商工会(山形県寒河江市)は、酒造、そば、豚肉しょうが焼き料理、チェリー酢を作る4社が出展。百貨店やスーパーのバイヤーが多く、「契約につながる商談もできた」と大貫陽司さんは話した

展示会を主催するのはリッキービジネスソリューション(東京都千代田区)と全国にある54の地方銀行だ。各行が取引先の地元企業に声をかけて出展者を募っている。会場には各行の担当者が常駐し、来場したバイヤーを地元企業のブースに引き込もうと声がけを行った。

2006年にリッキー社の社長で日本興業銀行出身の澁谷耕一氏が、七十七銀行(仙台市)、群馬銀行(前橋市)、千葉銀行(千葉市)、八十二銀行(長野市)、静岡銀行(静岡市)の5行と始めたのがきっかけだ。初回から13回連続で参加する静岡銀行は30社を集めた。前述の玉華堂も静岡銀行の紹介でこの展示会に出展するようになった。

3年連続で最も多い出展企業を連れてきたのは、佐賀銀行(佐賀市)で、今回は72社を集めた。県内の商工会議所が地元企業に積極的に声をかける体制ができ、毎回多くの出展企業が集まるようになった。会期に先立ってブースの作り方や、展示会を売り上げにつなげるための勉強会も開催した。

百十四銀行(高松市)は外食業界の取引先を会場に呼び、出展企業とのマッチングに力を入れた。麺を冷凍する独自の技術を持つ製麺会社や、包むだけで熟成肉を作ることできる地元の化学メーカーが開発したシートなどとの商談が進んだ。「単価が高いため、一般的な小売会社との取引は難しい。変わった食材を探す外食産業との相性は非常に良い」(担当者)

来場者の中心はスーパー、百貨店、コンビニのバイヤーだったが、出展企業の商売につながっていた相手は、必ずしも大手のバイヤーというわけではなさそうだ。この時期、食品を扱う大型の展示会が多い中、全国から普段東京で見ることができない中小の食品生産者ばかりが出展することが、目新しい商材を探すバイヤーを引き寄せる特徴となっているようだ。


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国際イベントニュース 編集長 東島淳一郎国際イベントニュース編集長 東島淳一郎
2009年全国賃貸住宅新聞社入社。劇団主宰者から銀行勤務を経て30歳で記者に転身。7年間の記者生活を不動産市場で過ごす。2016年9月、本紙創刊とともに現職。

Gotou
国際イベントニュース 編集部 後藤 豊

2017年全国賃貸住宅新聞社入社。「国際イベントニュース」企画開発部所属。インバウンド集客に必要な商材、海外に進出する企業向けサービスを中心に情報収集。趣味は読書。自宅に溜め込んだ蔵書は4500冊を越え、かねてから妻との懸案材料となっている。

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